次に不動産屋に直接訪問して物件を探す方法・注意点を説明します。私もスマホも持っていない時にはネットでの事前調査無しで直接不動産屋に伺っていました。
ここでは私の経験と、実際に不動産で働いている人々から学んだ情報を紹介します。
近所の不動産屋に足を運ぶ前に、出来ればしておきたい2つの事前準備があります。
まず一つ目は「物件の絞り込み」です。これは前章で解説した通り、ネットであらかじめ候補を3,4つに絞っておく事です。そうする事で不動産屋に希望の条件を伝えやすいですし、効率的に物件を見学する事ができます。また、似たような条件でさらに良い物件を提示してくれる可能性大なので、是非最低2つは候補を決めて不動産屋に足を運びましょう。
二つ目は「不動産屋の口コミ」です。これは中々情報収集が難しい面があるため可能な限りで構いませんし、絶対必要というほどのものではありませんが、仲介手数料等の扱いや、紹介してくれる物件の質が店により多少異なります。「◯◯はよかった」「××は仲介手数料を沢山とられる」等の口コミを得ていく事は、お得に物件を探す上で役立つ事があります。
不動産屋に必ず聞かれるのが「御予算はどの程度をお考えでしょうか?」というものです。こちらの懐の余裕を聞いてくる質問です。
ここでは必ず「実際の予算より5000円上乗せした値段」を申告してください。
多くの人はできるだけ安く済ませようと、実際の予算と同等かそれ以下を申告しますが、それでは不動産屋の思惑にハマってしまう事になります。
順を追って説明すると、まず不動産屋は仲介手数料のみが給料に反映されるため、お客様にどうしても物件を契約してほしいという思いがあります。
一方でお客さんはできるだけ安く、つまり実際の予算以下の家賃の物件を契約したいと考えます。
すると当然不動産屋はお客さんに「得した!」と思わせるために、「お客さんの希望する家賃より低い物件」しか紹介しなくなります。
例えば希望の家賃を50000と伝えれば、不動産屋は48000程度の物件を中心に提示してきます。一方55000と伝える事で、53000の物件を紹介してきます。さらに言えば、アパートは階層や角部屋か否かによって金額が微妙に異なるため、例えば1階の中部屋が50000、3階の角部屋が55000という場合があります。こういった物件は、希望予算を50000と申告してしまうと紹介される可能性がガクンと低くなってしまいます。
したがって、自分の希望する家賃+5000円を目安に申告してください。そうする事で同じ値段でもより希望する条件の物件に出会う可能性が高くなります。
不動産屋はプロなので、お客さんにどうやったら契約してもらえるかを熟知しています。1つは希望する家賃より低めのものを提示してお得感を出す事。そしてもう一つは「お客様が候補に挙げた中で、最も興味を示したもの、あるいはオススメの物件」を最後に見学させるという方法です。
例えば私が事前にネットで3軒調べて不動産屋に行き、不動産屋が新たに似ている好条件の物件2つを提示してくださり、私がさらに吟味して5つの物件から3つに候補を絞ったとします。
すると不動産屋はその3つの候補を見て、一番契約してもらえそうな物件(好条件のもの。そのため候補の中で最も家賃が高いものになりやすい)を頭の中で決めます。
決めたらその物件を最後に私に見学させます。そうする事で、「あ、何ここさっきまでのよりずっと綺麗だし住みやすそう!」と私に思わせるのです。
はっきり言って3軒も見学すると、最初の1軒なんてほとんど記憶に残らないものです。というか最後に回った物件が一番記憶に残ってしまうものなのです。もし最後の物件が候補の中で最も条件の悪いものなら、その日見たすべての物件に対してあまり良いイメージを持たないため、少なくともその日契約する可能性がガクっと落ちます。
したがって、「不動産屋から見て一番良い物件」というのは必ず最後に登場すると言う事を覚えておいてください。