物件の構造(防音性など)-木造編-

この辺りから具体的な物件の性質の違いについて解説をしていきたいと思います。手始めに多くの人が気にする「防音性」と構造についてです。

構造とは木造・鉄筋コンクリートなど、建物を構成している材質のことを指します。イメージ通りですが、もちろん鉄筋の方が防音性に優れていますが、実際に不動産屋に行くと、この2つ以外の材料からできている物件が非常に多いことに気づくと思います。

その場でこんがらがらない様に、ここで知識を蓄えておきましょう!


木造とは

壁、柱、床、はり、屋根又は階段など主要構造部に木材を用いた建築物です。
木材は、軽いのに高強度で加工がしやすいことから、賃貸住宅でも広く使われています。
自然素材であるため品質にバラツキが出やすく、また職人の腕によって木造住宅の出来が左右されます。
そのため、工法や職人指導、集合材の開発、品質管理の向上など、努力と工夫によって、今もなお進化を続けています。
ちなみに、賃貸では木造の集合住宅を「アパート」と呼びます。
※ここでいう主要構造部には、隣のお部屋との境にある間仕切り壁は含まれていません。


木造の防音性

音には様々ありますが建物の外からの音、話し声などの透過音、足音や落下物の衝撃音に大きく分類されます。
外からの音は外壁、透過音は間仕切り壁、衝撃音は床で主に遮っているのです。
それぞれの壁・床に、どのような技術を用いているかで音の聞こえ方は違ってきます。
木造住宅は「音が響く」とのイメージが強いですが、今は技術が向上し、建てる側の意識も変わってきているので、改善されている物件が多くなっています。
ちなみに防音性が最も高いイメージのある鉄筋コンクリート造の建物でも、主要構造部に間仕切り壁は含まれていないので、コンクリートで作られていないこともあります。


木造の家賃と間取り

一般的に加工がしやすい木造物件は、建築コストが安くあがるので、家賃を低く設定することができます。
ただし、どんな木材を使うか、どの工法で建てるか、誰が施工するかによって、大きくコストは変動します。
鉄筋コンクリート造より単価の高い木造物件もあるのです。

柱が細いので、室内に出っ張りが少なく、家具の配置がしやすいお部屋になります。
一方、強度的な問題から大開口のお部屋(例えばリビング30帖など)が作れません。
もしも木造で大開口のお部屋をつくるなら、所々に柱を立てて補強する必要があります。
※強化木材の開発により不可能ではなくなりました。将来、賃貸住宅でも大規模物件が建てられるようになるかもしれません。


木造のデメリット

木材は可燃物であるため、火災に弱いイメージがあります。
しかし、ある程度の太さがある木材は、着火後に表面に炭化層が形成されるため、燃え尽きるには時間がかかります。
万が一火災が発生した場合、避難するための時間を稼いでくれるのです。
鉄は強そうなイメージですが、単純に比較すれば倒壊するのは木造より早いそうです。
鉄筋コンクリート造は、燃え尽きやすい鉄をコンクリートで包み込むことで弱点を補っています。

木材は、単位重量あたりの強度が実は鉄よりも高い素材です。
(同じ重さの木材と鉄なら、木材の方が強いという意味。同じ大きさなら鉄の方が強いので誤解なきよう・・・)
自重が軽い分、組み方次第で優れた耐震性を発揮する建物が作れます。
地震で揺れたとき、いかにその力を分散させるよう建てられているかがポイントです。
2×4工法などは、職人の差が出にくく、地震にも強い建て方といわれています。

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